
JR中央線武蔵境駅前に位置する武蔵野プレイスは、地上4階、地下3階の建物(延べ床面積は9,809.76u)の中に、図書館・市民活動支援・生涯学習支援・青少年活動支援の機能を併せもった施設となっています。
図書館機能はB1(約83,000冊の蔵書とインターネットを利用できるパソコン、調べ物の手伝いをしてくれるレファレンスカウンターを配置)を中心に、2F(日常生活ごとに並べられた約30,000冊、乳幼児から小学生までを対象にした児童図書約40,000冊のほか、おはなし会などもできるスペース)・1F(新たに購入された本や予約本の貸し出しコーナー)・B2(芸術に関する本と青少年向けの本約23,000冊が集められたライブラリー)と、テーマごとにフロアーを区分して配置されています。

市民活動支援は3Fにあり、作業や簡単なミーティングを行えるワークラウンジ(登録団体優先)に加え、市民活動に役立つ図書や資料の閲覧できる情報スペース、印刷機や紙折機などのあるプリント工房を配置。

生涯学習支援機能は3Fと4Fに。
3Fは無料で利用できるスタディコーナーと大きさの異なる(10〜40人程度)会議室があります。

4Fは最大で約200人で利用できる大会議室に加え、個人の書斎的スペースをイメージした有料のワーキングデスク(40席の利用率は平日で約45%、土・日・祝日で約90%)が用意されています。

青少年活動支援機能はB2。
卓球やクライミングができるオープンスタジオ、アンプスピーカーやドラムセットも用意されているサウンドスタジオ、簡単な調理や工芸ができるクラフトスタジオに多様な家具が配置され自由に過ごせるラウンジ(19歳以下のみ利用可能)もあり、当日も多くの青少年で賑わっていました。
ラウンジは飲食も可能(電子レンジとポットもあり)となっていますが、ゴミの分別が徹底されているため非常に綺麗な空間が保たれています。

また、1Fには地元の方が運営するカフェも併設さており、飲み物や軽食、アルコール(ディナーのみ)も楽しめるとあって、連日多くのお客様で賑わっているとのこと。

武蔵野市は奉仕人口一人当たり貸出冊数が16.8冊(全国平均5.5冊)と全国の市の中で1位となっていますが、武蔵野プレイスの年間貸出件数は1,113,524(蔵書数:179,551冊)と市内に3つある図書館の中でもダントツで、年間来館者数も190万人を超えています。
全国的に見ても複合型の図書館が増えていますが、コンセプトを明確にし、それを利用者目線で具現化していることが人気の理由ではないかと感じました。
そして、外観だけでなく室内や細部まで曲線的なデザイン(2016年建築学会賞受賞)も利用者に愛される大きな要因になっているのではないでしょうか。
さらに、館内にある掲示物を「ヒラギノ」という書体で統一しているところも居心地の良さにつながっていると思います。

本市の図書館も多くの市民に利用される施設ですが、近接する文化プラザホールや交流センターとの連続性などにおいては今回の視察で学んだものを活かしていければと考えています。